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生物 / 真核生物 / 植物界 / 紅色植物門
イデユコゴメ綱 (シゾンCyanidium など)
チノリモ綱 (Porphyridium など)
オオイシソウ綱 (オオイシソウ, Erythrocladia, Rhodochaete など)
ベニミドロ綱 (Stylonema, Chroodactylon など)
ロデラ綱 (Rhodella など)
ウシケノリ綱 (アマノリ、ウシケノリなど)
真正紅藻綱 (オゴノリテングサなど)
1. イデユコゴメ亜門 Cyanidiophytina
2. 紅藻亜門 Rhodophytina
References
  • Yoon, H. S. et al. (2006) Defining the major lineages of red algae (Rhodophyta). J. Phycol. 42: 482-492.                     

単細胞性のものから微小な糸状体を形成するもの、大形の多細胞体となるものまで体制は多様である。海に生育するものが多いが、河川や温泉、土壌にすむものもいる。有孔虫などに共生する種も知られる。多くは独立栄養性だが、真正紅藻類の中には近縁の紅藻に寄生する従属栄養性種も多い。アマノリ属ウシケノリ綱)やテングサ類真正紅藻綱)など有用海藻が含まれ、特にアマノリ類は大規模に栽培され、最も取引額が大きな水産物となっている。シゾン(Cyanidioschyzon merolae, イデユコゴメ綱)では核・葉緑体・ミトコンドリアのゲノム解読がなされており (Matsuzaki et al. 2004, Nature 428: 653-657)、さまざまな研究の材料となっている。

細胞壁組成はさまざまであり、種によってセルロースやβ-1,3キシラン、β-1,4マンナンなどを主成分とする。細胞壁成分としてときに存在するアガロースやカラギーナンは商業的に利用される。一次共生に起因する2重膜で包まれた葉緑体をもつ。主要補助光合成色素はフィコビリン系色素であり、フィコビリソームとしてチラコイド膜上に存在する。その名のように紅色を呈するものが多いが、フィコビリン系色素の種類や量比によって紫色、緑色、青緑色などを呈する種もいる。 貯蔵多糖としては紅藻デンプンを細胞質基質に貯蔵する。紅色植物の大きな特徴として、生活環を通じて鞭毛(および中心体)を形成しないことが挙げられる。多細胞体となるものでは細胞間にピットコネクションと呼ばれる特異な細胞間連絡が形成されることが多い。2分裂や胞子形成などによって無性生殖を行う。有性生殖を行うものではふつう配偶体と胞子体の間で世代交代を行うが、真正紅藻綱ではその間に果胞子体と呼ばれる特異な世代が挿入されている。


1: Porphyridium (チノリモ綱, NIES-1034). 2: Hypnea真正紅藻綱, Hok-50). 3: Antithamnion真正紅藻綱, KU-1001). 4: Rhodellaロデラ綱, NIES-1037). 5: Porphyraウシケノリ綱).
Plantae