NIES-MCC | KU-MACC | Tree to Strain | Japanese | English |
生物 / 真核生物 / エクスカヴァータ |
![]() |
マラウィモナス綱 (Malawimonas) |
※点線は多系統群である可能性があるもの 1. ディスコーバ Discova 2. ディスキクリスタータ (盤状クリステ類) Discicristata 3. トリコゾア亜門 Trichozoa 4. フォルニカータ Fornicata 5. エオファリンギア上綱 Eopharingia 6. アナエロモナス亜門 Anaeromonada アナエロモナス綱 Anaeromonadea |
|
References |
|
単細胞自由遊泳性またはアメーバ状の生物群。多くは捕食栄養性の鞭毛虫だが、ユーグレナ藻綱の一部 (Euglena など) は緑色植物との二次共生に起因する葉緑体をもっており、光独立栄養性。ミトコンドリアが退化的なもの (トリコゾア類、アナエロモナス類) も多く、このような種は底泥や動物の消化管など嫌気的環境に生育している。Trypanosoma (ユーグレノゾア門) や Giardia (トレポモナス綱)、Trichomonas (パラバサリア類) などヒトに寄生して害を及ぼす生物もいる。
基本的に細胞亜頂端から生じる2または4本の鞭毛をもっており、鞭毛基部付近から細胞後方へ伸びる溝が存在する。この溝は細胞口として機能し、複雑な鞭毛根系で支持されている。ただし細胞口の消失などこの基本形から大きく変わったもの (ユーグレノゾア、パラバサリア類、オキシモナス類) も多い。またペルコロゾア類の多くでは鞭毛を失ったアメーバ細胞が主になっている。ミトコンドリアのクリステが発達しているものでは盤状 (うちわ状) のことが多いが、管状、板状の種もある。またトリコゾア類やアナエロモナス類ではミトコンドリアが退化しており、ゲノムや酸素呼吸能が失われてハイドロジェノソームやマイトソームとなっている (全てで確認されているわけではない)。2分裂によって無性生殖を行う。Acrasis (ペルコロゾア門) では細胞が集合した子実体と胞子形成が知られており、以前は細胞性粘菌に分類されていた。有性生殖が知られているものはほとんど無いが、オキシモナス類において特異な有性生殖が報告されている。 鞭毛装置など微細構造形質の共通性から提唱された生物群であり、エクスカヴァータ内のいくつかのグループ (ディスキクリスタータ、トリコゾア) の単系統性は分子形質からも支持されている。ただしエクスカヴァータ全体の単系統性に関しては明確な証拠は今のところ無い。 |
![]() 左: Trepomonas (トレポモナス綱, NIES-1444). 中: Bodo (ユーグレノゾア門, NIES-1439). 左: Eutreptiella (ユーグレノゾア門, NIES-381). |