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生物 / 真核生物 / エクスカヴァータ / ユーグレノゾア門

ユーグレナ藻綱 (ミドリムシ, Eutreptiella, Phacus, Peranema, Petalomonas など)
ディプロネマ綱 (Diplonema, Rhynchopus)
キネトプラステア綱 (Bodo, Rhynchomonas, Icthyobodo, Leismannia, Trypanosoma など)

References
  • Maslov, D.A. et al. (1999) Phylogenetic affinities of Diplonema within the Euglenozoa as inferred from the SSU rRNA gene and partial COI protein sequences. Protist 150: 33-42.
  • Simpson, A.G.B., Stevens, J. R. & Luke&s;, J. (2006) The evolution and diversity of kinetoplastid flagellates. Trends in Parasitology 22: 168-174.
  • Simpson, A.G.B. & Roger, A.J. (2004) Protein phylogenies robustly resolve the deep-level relationships within Euglenozoa. Mol. Phylogenet. Evol. 30: 201-212.

単細胞遊泳性の生物群。多くはバクテリアや他の真核生物を補食する従属栄養性生物だが、ユーグレナ藻綱の一部は緑色植物との二次共生に起因する葉緑体をもっており、光合成を行う。淡水から海水まで水域に広く生育し、また後生動物や陸上植物、アメーバ類に寄生するものもいる。特にトリパノソーマ類 (キネトプラステア綱) はアフリカ睡眠病やシャーガス病 (Trypanosoma) 、リーシュマニア症 (Leishmania) などを引き起こし、ヒトや家畜に重大な被害をもたらすことがある。またBodoNeobodo などいわゆるボド類 (キネトプラステア綱) は水域で最も普遍的なバクテリア捕食者である。さらにミドリムシ (Euglena; ユーグレナ藻綱) はよく知られた植物プランクトンであり、生物学的な材料によく用いられる。

細胞頂端部に陥入があり、その底から不等運動性の2本の鞭毛が生じているが、1本または両方が退化的なこともある。鞭毛にはパラキシアルロッドとよばれる軸索状構造が付随しており、また非管状の小毛が生えていることが多い。3種類の微小管性鞭毛根をもち、そのうち1本が細胞頂端陥入部に沿って前方へ向かった後に後方へ伸び、これに沿って細胞口がある。細胞は基本的に裸だが、ユーグレナ藻綱の中にはロリカをもつものもある。また細胞膜直下に微小管性細胞骨格またはペリクルなどが発達している。ミトコンドリアのクリステは盤状 (うちわ状)。ミトコンドリアゲノムの分化が見られる (Roy, J. et al. 2007. Protist 58: 385-96)。間期にも染色体が凝集している。核分裂は閉鎖型、中期赤道盤は形成されない。2分裂によって無性生殖を行う。有性生殖は未知。


左上: Bodo (キネトプラステア綱, NIES-1439). 左下: Phacus (ユーグレナ藻綱). 中上: Rhynchomonas (キネトプラスト綱). 中下: Ploeotia (ユーグレナ藻綱). 右: Eutreptiella (ユーグレナ藻綱, NIES-381).
Excavata