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生物 / 真核生物 / 植物界 / 緑色植物亜界 / 緑藻植物門 / 緑藻綱 / サヤミドロ目 / サヤミドロ科
Oedogonium (サヤミドロ属)
Oedocladium
Bulbochaete
点線は非単系統群である可能性が高いもの
Reference
  • Alberghina, J. S., Vigna, M. S. & Confalonieri, V. A. (2006) Phylogenetic position of the Oedogoniales within the green algae (Chlorophyta) and the evolution of the absolute orientation of the flagellar apparatus. Pl. Syst. Evol. 261: 151-163.

淡水止水域でふつうに見られる糸状の緑色藻。ふつう糸状体の一端の仮根部で基物に付着しているが、ときに浮遊性。Oedocladium は陸域から見つかる。Oedogonium cardiacum において葉緑体ゲノム配列が報告されている (Jean-Simon et al. 2008. BMC Genomics 9: 290)。

糸状体は単列、分枝または無分枝。各細胞は円筒形で単核性、網状の沿膜性葉緑体をもつ。葉緑体は多数のピレノイドを有し、ピレノイド基質には細胞質が網状に陥入する。Bulbochaete は細長い無色細胞からなる剛毛をもつ。遊泳細胞 (遊走子、精子) は細胞前部に輪状に列ぶ多数の鞭毛をもつ。核分裂は閉鎖型、核分裂後に娘核の一方は細胞端へ移動する。娘核間ではファイコプラストを伴う細胞板によって細胞壁が形成される。またこの細胞端で側部細胞壁が母細胞壁に割り込む形で伸長し、一方の娘細胞は伸長する。この過程で細胞の端には母細胞壁がめくれた形の鞘が形成され、サヤミドロの名の由来になっている。糸状体を構成する細胞がそれぞれ1個の遊走子または不動胞子を形成し、無性生殖を行う。栄養細胞がアキネートとなることもある。造精器と生卵器が形成され、卵生殖による有性生殖を行う。雌雄同体または異体。雌雄異体のものの中には、雄性胞子とよばれる小型の遊走子が生卵器付近に付着し、柄細胞と造精器のみからなる矮雄体を形成する種もある。このような生殖過程にはホルモンが関わっていると考えられている。受精卵は耐久世代である卵胞子となり、減数分裂を経てふつう4つの遊走子を形成する。


Oedogonium sp.
Chlorophyceae