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生物 / 真核生物 / 植物界 / 緑色植物亜界 / シャジクモ植物門 / シャジクモ藻綱 / シャジクモ目
Nitella (フラスコモ属)
Tolypella
Lychnothamnus
Nitellopsis (ホシツリモ属)
Lamprothamnium
Chara (シャジクモ属)
1. フラスコモ科 Nitellaceae
2. シャジクモ科 Characeae

淡水止水域に生育する大形の (ときに 1 m 以上になる) 緑色藻。水質悪化、透明度減少によって近年絶滅に瀕している種が多い。化石記録はシルル紀(約4億2000万年間)に遡る。

茎状部と輪生枝、仮根の分化が見られる。茎状部は大きな節間細胞と小型の節細胞からなり、節間細胞は節細胞から生じた1層の皮層細胞に覆われることもある。節間細胞は巨大であるため (ときに長さ数cmに達する)、原形質流動を観察する際によい材料となる。細胞壁はセルロースを主成分とし、ロゼット型のセルロース合成複合体をもつ。ときに藻体は石灰化し、そのため英名では stoneworts とよばれる。若い細胞は単核だが、成熟すると多核になる。多くの陸上植物と同様、ピレノイドを欠く葉緑体が多数存在する。核分裂・細胞質分裂様式は基本的に陸上植物と同じ。 生卵器および造精器を輪生枝の節部につける。雌雄同株または異株。生卵器は楕円形で5または10本の管細胞によってらせん状に覆われている。管細胞先端には小冠細胞がある。生卵器中には1個の卵細胞が形成される。造精器は8個の楯細胞で囲まれた球状を呈する。楯細胞から中心に向かって柄細胞が伸び、その先端の頭状細胞から造精糸が房状についている。精糸はコケ植物のそれと類似しており、ねじれた紐状の細胞亜頂端から2本の鞭毛が平行に出ている。精子は小さな有機質鱗片で覆われる。受精卵は卵胞子 (oospore) となり、休眠、減数分裂を経て発芽する。

一般的には、シャジクモ藻綱という名前はより広い意味で用いられ、陸上植物に近縁な緑色藻類(狭義の緑藻植物門を除いた緑色藻類)を全て含んでいる。しかしこの意味でのシャジクモ藻綱は側系統群となるため、ここではいわゆるシャジクモ類のみを含んだ意味で用いている。


1: シャジクモ. 2: Lychnothamnus. 3: オトメフラスコモ.
Viridiplantae