系統 - その他の系統- 栽培イネ等 - 概要

在来栽培イネおよび近縁野生イネ系統

総合地球環境学研究所
他4機関

このプロジェクトでは、アジア栽培イネ(オリザ・サティヴァ)とその近縁野生種の系統を扱います。ここで近縁野生種とはサティヴァのどれかの系統と遺伝子の交換が可能な種とお考えいただいて結構です。

栽培イネの品種は全世界に20万をくだらないとされますが、それらはおおきくインディカとジャポニカとにわかれます。これらはさまざまな形質のほか、アイソザイムやDNAマーカなどの分子マーカによって区別することも可能です。サティヴァは食料生産上きわめて重要な種なので、世界各地の研究機関が精力的に研究をおこなって来ました。そこで本プロジェクトでは、その特徴をだすために、プロジェクトに属する研究者たちが東南アジアから東アジア各地を中心に自分たちの足で集めた材料を中心とする「アジア在来品種群」とでもいうべき材料セットを構築しました。総数は約 3,200 品種です。これらについて、分子マーカを中心とするデータおよび種子の画像を含むデータベースを構築し研究者の方々に提供しようと考えています。

野生イネは、遺伝研の材料と以下の点ではっきり異なります。本プロジェクトの材料は、集団内の遺伝変異に着目し、おもにルフィポゴンとニヴァラ2種につきその大群落の遺伝構造を反映するよう、1群落(サイト)から多数の系統をし立ててそれをそのまま研究者のかたがたに配布するという基本構想によっています。系統数の総数は約 1,400 です。また、ルフィポゴンは多年生でかつヘテロ接合性の高い種として知られています。これらを自家受粉採取種子として配布するのは集団の遺伝構造を反映させるという趣旨にはかならずしもそぐわないため、その一部については株そのものまたは元株から抽出したDNAの供給を構想しています。ただしその具体的な方法は未定です。

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