- CL
CL は classical linkage map (古典的遺伝地図:形質遺伝子をマーカーとして作られた地図)のことであり、現在 209の形質マーカー遺伝子により構成されている。この地図は、Rice Genetics Cooperative のcommittee reportとして第1版が1990年に、改訂版が1995年に出された(Dr. Kinoshitaにより監修:Rice Genetics Newsletter vol. 12, 9-153, 1995)。多くの日本の大学(主に九大と北大)で、領域別に個別に作成された遺伝地図を重ね合わせて、12本の染色体についての古典的遺伝地図の基本としたものである。他に 362の形質遺伝子についても、座乗染色体が決定されている。
- IT
IT mapは、統合地図integrated map の意味で、この地図は、83のRFLPマーカーと40の形質遺伝子を、17種のF2 と1つのF3 集団を用いて、同一の地図上にマップしたものである(Yoshimura et al. 35: 49-60, 1997)。CLとIT地図の両方にマップされた形質遺伝子は、実線で結んで示した。ITとR I地図の両方に共通なRFLPマーカーについても、相互の位置確認のため線を引いて示した。
- RI
RI mapは、日本稲の「アソミノリ」とインド稲の「IR24」を交配・育成したrecombinant inbred lines を用い、375のRFLPマーカーをマップして作成したframework mapである (Tsunematsu et al., Breeding Science 46: 279-284, 1996)。RI linesの後代の種子セット(F7世代以降)は、九州大学 吉村淳教授(Kyushu University; e-mail; ayoshiagr.kyushu-u.ac.jp, Fax +81-92-642-2804 or 2822)より入手可能である。RI map 上の375マーカーの遺伝型の分離データ、および大部分のマーカーの塩基配列情報はこのサイトでアクセスできる。
- NK
NK mapは、日本稲「日本晴」とインド稲「カサラス」の交配F2集団(186個体)を用いて 2275のDNAマーカーをマップした、イネにおける最も高密度の分子地図である。このマップは430Mb,1521cMをカバーしており、平均283kbに1つのマーカーをもつ。これ はRice Genome Program (Harushima et al., Genetics 148: 479-494, 1998) が作成したランドマークマップで、全ゲノムの物理地図化および塩基配列解析プロジェクトにベースを提供している。
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