第2回大腸菌遺伝資源小委員会議事要旨      

日 時  平成12年12月18日(月)14:00〜16:35

場 所  国立遺伝学研究所系統生物研究センター4階会議室

出席者  (敬称略)加藤、平賀、山根、由良、西村、荒木、菅原、山崎

報告事項

1 生物遺伝資源小委員会について
  委員長から、生物遺伝資源に関する小委員会規則に基づき、本委員会の目的などについて、
  再確認の為の説明があった。

2 大腸菌NIGコレクションのネットワーク公開について
  委員長から、国立遺伝学研究所で系統維持しているコレクションのデータベースを、
  系統情報研究室の協力を得て昨年テスト版で公開し、平成12年12月から正式に公開した
  こと、また公開後、特に海外からの請求が特段に増えていることなどの報告があった。

3 PEC (Profiling of E. coli Chromosome)のインターネット公開について
  山崎委員及び加藤委員から、系統情報研究室の協力を得て構築された「大腸菌遺伝子に
  係わる各種情報や欠失可能領域などを大腸菌染色体地図上に貼り付けたデータベース(PEC)」
  について、実際にWebを使って説明があった。委員から「表示方法や使用方法の解説の添付」
  及び「海外にも広く宣伝しては」などのコメントがあった。

協議事項

1 大腸菌遺伝資源情報管理の基本方策について
  委員長から、菅原委員に遺伝資源情報管理の最近の動向について説明願いたい旨提案があり、
  菅原委員から「国内に於ける微生物関連施策の状況」や「OECD(Organization for Economic
  Cooperation and Divelopment) 国際構想」について説明があり、意見交換の結果、相互リンク
  による協力関係を検討していくこととした。

2 退官に伴う閉鎖研究室の大腸菌遺伝資源の管理について
  委員長から、研究者の退職に伴う大腸菌遺伝資源の今後の管理について外部から要望などがあった
  ので協議願いたい旨提案があり、協議の結果、論文に投稿され寄託要請のあった系統についてのみ
  国立遺伝学研究所に寄託することとした。

3 ポストゲノム解析などに伴う大量の遺伝資源の管理について
  委員長から、ポストゲノム解析などに伴う大量の遺伝資源の今後の管理について協議願いたい旨提案
  があり、意見交換の結果、概略以下のような意見に集約した。
  
  「現在、多くのプロジェクトに膨大な予算が注ぎ込まれ、多種類の生物で、ゲノム配列とポストゲノム
   解析が行われている。これらの資源を利活用できる道筋を付けなければ新しい展開にならないことは
   明白であるが、実際には、既存の施設では引き受け不可能な膨大な数の系統を抱えて狼狽えているの
   が現状である。これは世界共通の懸案事項として、3年前より各国の代表者が集まって、"OECD国際
   的構想の提言"として取り纏め作業が行われてきた。2月末頃には、日本政府にもこの提言が送られて
   くる予定である。これを受けて、日本政府も環境整備の充実に乗り出すものと期待される。一方日本
   で開発された新しい遺伝資源が国外に流失することなく活用されてゆく為には、高レベルの技術者の
   確保が最優先であるが、日本の事業センターの人員の確保や運営予算は、国際レベルに較べて一桁低
   いことが多くの調査で判明している。折角立ち上がった遺伝資源委員会とその下部組織である各種小
   委員会を通じて、新しい遺伝資源の管理運営が適切に行えるよう、予算措置を国に要望してゆくべき
   である。予算措置としては、"二段階方式" が適切であるというのが、大腸菌小委員会で一致した意見
   である。第一段階は各プロジェクトを立ち上げた研究者またはグループに対する予算措置である。
   プロジェクトを遺伝資源の開発のみで終わらせること無く、生み出された資源への評価が定着するまで、
   最低1〜2年はプロジェクトの責任の元で管理分譲を行い、利用価値が定着するまで遺伝資源の選別
   や改良を行う。第二段階は、評価の定着した遺伝資源を、専門の事業センターに寄託し恒久的に管理
   分譲できるよう、専門の事業センターの受け入れ体制確保の為の予算措置である。」

  以上の概要を盛り込んだ要望書の委員長案を作成し、各委員の意見を集約後、2月末を目処に文部科学省
  及び通産省に提出することを了承した。また予算措置に目処がついた場合、第一段階の予算は森プロジェクト
  に、第二段階は「通産省がかずさに建築中の生物資源保存 研究センター」もしくは「国立遺伝学研究所」
  への寄託の可能性を打診することで了承した。

4 次期大腸菌小委員会委員の選出について
  委員長から、現委員の任期が平成13年3月31日迄であることから、現委員の留任及び2名程度の委員の
  追加をしたい旨提案があり、現委員の留任及び追加委員として所外から九州大学薬学部・薬学研究科の
  三木健良教授を、所内から放射線アイソトープセンターの仁木宏典助教授を次期委員として加えることを
  了承した。

その他
  国立遺伝学研究所の保存系統について、今後の情報公開などについて意見交換を行った。