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ヒトES細胞に関する政府指針 - 指針本文 (第二章 ヒトES細胞の樹立) -

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第二章 ヒトES細胞の樹立
第一節 樹立の要件等 第二節 樹立の体制 第三節 樹立の手続

 第一節 樹立の要件等

(ヒトES細胞樹立の要件)
第五条
ヒトES細胞の樹立は、次に掲げる要件に適合する場合に限り、行うことができるものとする。

(1)

第二十六条第1項に規定する使用の要件に適合したヒトES細胞の使用の方針が示されていること。

(2)

前号の使用の方針が新たにヒトES細胞を樹立することの科学的合理性及び必要性を有すること。


(樹立の用に供されるヒト胚に関する要件)

第六条
ヒトES細胞の樹立の用に供されるヒト胚は、次に掲げる要件に適合するものとする。

(1)

生殖補助医療に用いる目的で作成されたヒト受精胚であって、当該目的に用いる予定がないもののうち、提供する者による当該ヒト受精胚を滅失させることについての意思が確認されているものであること。

(2)

ヒトES細胞の樹立の用に供されることについて、適切なインフォームド・コンセントを受けたものであること。

(3)

凍結保存されているものであること。

(4)

受精後十四日以内のものであること。ただし、凍結保存されている期間は、当該期間に算入しない。

ヒトES細胞の樹立及び使用は、当分の間、基礎的研究に限るものとする。なお、ヒトES細胞及びこれに由来する細胞を人体に適用する臨床研究その他医療及びその関連分野における使用は、別に基準が定められるまでの間は、これを行わないものとする。

樹立機関は、提供されたヒト受精胚を遅滞なくヒトES細胞の樹立の用に供するものとする。


(樹立機関内のヒト受精胚の取扱い)
第七条
樹立機関におけるヒト受精胚の取扱いは、医師又は医師の指導により適切に行うものとする。

(分配の要件)
第八条
ヒトES細胞の分配は、次に掲げる要件に適合する場合に限り、行うことができるものとする。

(1)

第三十六条に規定する文部科学大臣の確認を受けた使用計画を実施する使用機関のみに対して分配すること。

(2)

必要な経費を除き、無償で分配すること。

第三十六条に規定する文部科学大臣の確認を受けた使用計画を実施する使用機関がヒトES細胞の分配を要求した場合には、樹立機関は、やむを得ない場合を除き、分配するものとする。

 第二節 樹立の体制

(樹立機関の基準)
第九条
樹立機関は、次に掲げる要件に適合するものとする。

(1)

ヒトES細胞を樹立及び分配するに足りる十分な施設、人員、財政的基礎及び技術的能力を有すること。

(2)

ヒトES細胞の樹立及び分配に際して遵守すべき技術的及び倫理的な事項に関する規則が定められていること。

(3)

倫理審査委員会が設置されていること。


(樹立機関の業務等)

第十条
樹立機関は、次に掲げる業務を行うものとする。

(1)

ヒトES細胞を樹立し、これを分配すること。

(2)

1度分配されたヒトES細胞のうち使用機関において加工されたものを譲り受け、これを分配すること。( ヒトES細胞を使用する研究の進展のために合理的である場合に限る。)

樹立機関は、ヒトES細胞の樹立、維持管理及び分配に関する記録を作成し、これを保存するものとする。

樹立機関は、ヒトES細胞の樹立、維持管理及び分配に関する資料の提出、調査の受入れその他文部科学大臣が必要と認める措置に協力するものとする。


(樹立機関の長)
第十一条
樹立機関の長は、次に掲げる業務を行うものとする。

(1)

樹立計画の妥当性を確認し、その実施を了承すること。

(2)

ヒトES細胞の樹立の進行状況及び結果を把握し、必要に応じ樹立責任者に対しその留意事項、改善事項等に関して指示を与えること。

(3)

ヒトES細胞の樹立及び分配を監督すること。

(4)

樹立機関においてこの指針を周知徹底し、これを遵守させること。


(樹立責任者)
第十二条
樹立責任者は、次に掲げる業務を行うものとする。

(1)

ヒトES細胞の樹立に関して、内外の入手し得る資料及び情報に基づき、樹立計画の科学的妥当性及び倫理的妥当性について検討すること。

(2)

前号の検討の結果に基づき、樹立計画を記載した書類( 以下「樹立計画書」という。) を作成すること。

(3)

ヒトES細胞の樹立を総括し、及び研究者に対し必要な指示をすること。

(4)

ヒトES細胞の樹立が樹立計画書に従い適切に実施されていることを随時確認すること。

(5)

ヒトES細胞の樹立の進行状況及び結果に関し、樹立機関の長及び樹立機関の倫理審査委員会に対し必要な報告をすること。

(6)

前各号に定めるもののほか、樹立計画を総括するに当たって必要となる措置を講ずること。

樹立責任者は、1の樹立計画ごとに1名とし、動物胚を用いたES細胞の樹立の経験その他ヒトES細胞の樹立に関する十分な専門的知識及び技術的能力を有し、かつ、前項各号に掲げる業務を的確に実施できる者とする。


(樹立機関の倫理審査委員会)
第十三条 
樹立機関の倫理審査委員会は、次に掲げる業務を行うものとする。

(1)

樹立計画についてこの指針に即し、その科学的妥当性及び倫理的妥当性について総合的に審査を行い、その適否、留意事項、改善事項等に関して樹立機関の長に対し意見を提出するとともに、当該審査の過程の記録を作成し、これを保管すること。

(2)

樹立の進行状況及び結果について報告を受け、必要に応じて調査を行い、その留意事項、改善事項等に関して樹立機関の長に対し意見を提出すること。

樹立機関の倫理審査委員会は、次に掲げる要件に適合するものとする。

(1)

樹立計画の科学的妥当性及び倫理的妥当性を総合的に審査できるよう、生物学、医学及び法律に関する専門家、生命倫理に関する意見を述べるにふさわしい識見を有する者並びに1般の立場に立って意見を述べられる者から構成されていること。

(2)

樹立機関の関係者以外の者が2名以上含まれていること。

(3)

男性及び女性がそれぞれ2名以上含まれていること。

(4)

樹立計画を実施する者が審査に参画しないこと。

(5)

倫理審査委員会の活動の自由及び独立が保障されるよう適切な運営手続が定められていること。

(6)

倫理審査委員会の構成、組織及び運営並びに議事の内容の公開その他樹立計画の審査に必要な手続に関する規則が定められ、かつ、当該規則が公開されていること。

 第三節 樹立の手続

(樹立計画書)
第十四条
樹立責任者は、ヒトES細胞の樹立に当たっては、あらかじめ樹立計画書を作成し、樹立機関の長の了承を求めるものとする。

前項の樹立計画書には、次に掲げる事項を記載するものとする。

(1)

樹立計画の名称

(2)

樹立機関の名称及びその所在地

(3)

樹立責任者及び研究者の氏名、略歴、研究業績及び樹立計画において果たす役割

(4)

樹立の用に供されるヒト受精胚に関する説明

(5)

樹立後のヒトES細胞の使用の方針

(6)

樹立の必要性

(7)

樹立の方法及び期間

(8)

分配に関する説明

(9)

樹立機関の基準に関する説明

(10)

インフォームド・コンセントに関する説明

(11)

提供医療機関に関する説明

(12)

提供医療機関の倫理審査委員会に関する説明

(13)

その他必要な事項

樹立計画書には、可能な限り平易な用語を用いて記載した概要及び第二十三条第3項に規定するインフォームド・コンセントに係る説明に関する文書を添付するものとする。


(樹立の手続)

第十五条
樹立機関の長は、樹立責任者から樹立計画の実施の了承を求められた際には、その妥当性について樹立機関の倫理審査委員会の意見を求めるとともに、当該意見に基づき樹立計画のこの指針に対する適合性を確認するものとする。

樹立機関の長は、樹立計画について提供医療機関の長の了解を得るものとする。

提供医療機関の長は、樹立計画を了解するに当たっては、提供医療機関の倫理審査委員会の意見を聴くものとする。


(樹立計画に係る文部科学大臣の確認)

第十六条
樹立機関の長は、樹立計画の実施を了承するに当たっては、当該樹立計画のこの指針に対する適合性について、文部科学大臣の確認を受けるものとする。

前項の場合には、樹立機関の長は、提供医療機関の長の了解を得た樹立計画について、次に掲げる書類を文部科学大臣に提出するものとする。

(1)

樹立計画書

(2)

樹立機関及び提供医療機関の倫理審査委員会における審査の過程及び結果を示す書類

(3)

樹立機関及び提供医療機関の倫理審査委員会に関する事項を記載した書類並びに第十三条第2項第6号に規定する規則及び第二十一条第2項の規定により読み替えて適用する第十三条第2項第6号に規定する規則の写し

文部科学大臣は、樹立計画のこの指針に対する適合性について、科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会の意見を求めるとともに、当該意見に基づき確認を行うものとする。

文部科学大臣は、樹立計画の確認の結果を総合科学技術会議に報告するものとする。


(報告)

第十七条
樹立責任者は、ヒトES細胞の樹立の進行状況、樹立の完了及び分配の状況並びに提供されたヒト受精胚の取扱いの状況を樹立機関の長及び樹立機関の倫理審査委員会に随時報告するものとする。

樹立責任者は、ヒトES細胞の樹立の完了後、直ちに、樹立の結果を記載した書類(以下「樹立報告書」という。) を作成し、樹立機関の長に提出するものとする。

樹立機関の長は、樹立報告書の提出を受けた場合には、樹立機関の倫理審査委員会及び文部科学大臣に当該樹立報告書の写しを提出するものとする。

樹立機関の長は、樹立の完了後にヒトES細胞を維持管理している間は、少なくとも毎年1回、文部科学大臣に当該ヒトES細胞の分配の状況を報告するものとする。


(研究成果の公開)
第十八条
ヒトES細胞の樹立により得られた研究成果は、原則として公開するものとする。

樹立機関は、ヒトES細胞の樹立により得られた研究成果を公開する場合には、当該ヒトES細胞の樹立がこの指針に適合して行われたことを明示するものとする。


(樹立機関に関する特例)
第十九条
複数の機関が連携して樹立機関の業務を行うことができるものとする。

前項の場合において、各機関は、各機関ごとの役割分担及び責任体制に関する説明を樹立計画書に記載するとともに、各機関ごとに、樹立計画について、当該機関に設置された倫理審査委員会の意見を聴くものとする。

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